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実践的な知識とは? [studying in Sweden 09 09]

毎週月曜日の3、4限はリーダー論。組織を運営する上でリーダーはどのようにあるべきか?ということを学んでいます。今日はまず先生がマズローの自己実現論(hierarchy of needs)を紹介して5段階の欲求(低次の順に生理的欲求、安全の欲求、所属と愛の欲求、承認の欲求、自己実現の欲求)の最も高次な欲求である「自己実現の欲求」をかなえるために、その基盤にくる欲求が満たされていないといけない、という話をしていました。

5段階の欲求は、日本語では上記にように訳されていますが、英語でみてもスウェーデン語でみても、なんとなくニュアンスが違うかんじがします・・・。例えば「所属と愛の欲求」は、「集団に属したい、誰かに愛されたいといった欲求」(wikipediaですが)と訳されているけれど、“集団”という言葉はあいまいだし、“誰かに愛されたい”という文章はもっとあいまい。英語では「Belong,Love」=「friendship, family, sexual intimacy」と説明されていて、日本語版はすごく意訳されている印象を受けます。文化が違えば概念も違うので、翻訳ってすごく難しいですね。

そして今日問題だなと感じたのは、少なくとも私が高校生だったときにはこの抽象的な表現を習って、暗記し、試験に書いて終わり。。。というプロセスしか踏まされなかったこと。マズロー氏の知識がたくさん詰まった欲求のピラミッドを、自分や自分のまわりの世界と比較して考える時間を与えられなかったという点です。今日のリーダー論の授業では、「僕の例でいうとね・・」と自分の経験を話していたし、「こう書いてあるけれど、どう思う?」と生徒に問いかけたりいました。生徒もためらわずどんどん質問します。

「これがマズローの説です、それぞれの段階の意味はこういうことです。名称を覚えてください、テストに出ます。」と授業で先生が説明するだけでは、生徒はその説を自分や自分のまわりの世界とは切り離したものとしか考えないのではないかと思います。つまり、実践的な世界に理論をいかす練習ができないということです。

もう一つ、一方的な授業で生徒が練習できないこと、それは「自分の意見を述べ、相手の意見を聞く」プロセスです。

偉大な説は説で学ぶ意義はあると思いますが、時代とともに説の内容が変わっているかもしれないし、例外があることがあるかもしれないし、自分はこれに当てはまって他のクラスメートは当てはまらなくて・・・と議論の余地がたくさんあります。そしてそこで大事なのが「自分で考えて、自分の意見をもつこと、述べること」そして「他人の意見を聞き、そこからも学ぶこと」です。この「他人との意見交換」のプロセスには、相手の意見を尊重し、妥協点を見出す練習もできます。あくまで自分の経験からですが、一般的な日本の学校教育にはこの部分が大きく欠けているのでは?と思います。

今日の授業の話に戻ると、今日はこの5段階にさらに1段階「soridality(他人のことを気にかけ、その人を助けようとする状態にあること)」をプラスして、リーダーに必要なsoridalityに達するためにはその基盤となる5段階を満たしていないといけないよ、という話になりました。そしてその後は、この5段階を踏まえてクラスがよいチームワークを発揮するために大切だと思うことを、グループに分かれてブレーンストーミング。その後、出された意見に対し、クラスメートそれぞれが5ポイントずつ投票権をもち、もっとも大事だと思うものに自由に投票しました。

DSCN2226.JPG
もっとも票が多かったのは以下の5つ。

・empathy
・safety
・flexbility
・engagement :強い興味と参加意識
・dare :勇気を出して挑戦すること

そのあと、投票の多かった5つの語の対義語を書き、現在のクラスがどの状況にあるのかをそれぞれ紙に書いて先生に提出しました。統計結果やそれを踏まえての意見交換は、来週の授業で行います。
DSCN2225.JPG


先日も少し書きましたが、スウェーデンの学校ではデモクラシー(民主主義)という言葉をとてもよく耳にします。人生においてデモクラシーという言葉をこんなに聞いた期間はこの1か月がはじめてです。

スウェーデンは民主主義の国ですが、それは学校の、クラス運営にも反映されていて、みんなでとことん話をし、先生や生徒のあいだの上下関係(目上の人の知識が正しいという雰囲気)もありません。そして民主主義を実現するためには、「全員が意志決定に積極的に参加すること(engagemang)」がとても大事にされており、「自分には関係ない」「自分は意思決定に参加しないから、結果にも文句を言わない」という態度は推奨されません。

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コメント 2

Isa

話がムツカシイですネ(汗)。


仲間(男のみ)とこんな話をしました
『働く女性は嫁に欲しいか!?』

いろいろな意見が出ましたが、その場の意見としては

『やりたいことを一生懸命やっている女性は応援したい。でも、結婚したら家庭にいて欲しい』
『女性は仕事か家庭か二択があるから楽だ』


・・・ホント男って勝手ですね(あっ、僕も男です(笑))

僕が出した意見は
『女性の中にも ”やりたいこと”や”夢”、”野望(希望)”をもっている人がいるはずだ、そのまま、ありのままのその子を受け入れてあげればいい』
というと、
それだと『カップルの幸せになれるか?』と言われ後は何も言えず・・・

これってマズローさんの説にも少し噛んでませんか?

『自己実現』が『所属や愛』よりも高位で、それを求めるならば
それなりの代価を払わなくてはならないわけですね。
でも普通の人間は心が弱くて挫折したり誘惑に負けたりします(僕も多々そんな場面があります(笑))
また、何をもって自己実現とするかは当然、個人によって異なりますから
自らの進む道が独特(独創的?個性的?)であればあるほど一人ぼっちで考える時間が多くなるのかもしれません。

自己実現に向けて何かを得るには、自らが積極的に身投じなければ何も得ることができないのはMiaさんの留学しかり、僕の卒研しかり、でしょうか?
何はともあれ、日々の積み重ねの大事さをもっと意識しなければならないと感じる今日この頃です。

んじゃまた。




by Isa (2009-09-30 20:57) 

Mia

>Isaくん

Hi!コメントをありがとう!^^

「女性は仕事か家庭か二択があるから楽だ」という意見に対して「うー・・」と思いましたが、私の友達(女の子)のなかにも、「結婚したら家庭にいてもいいかな」という子は結構多いです(笑)

いろんな意見があると思うけれど、
現実的に日本は女性のパワーをもっと社会に活かしていかないといけないと思うし、
男女平等の環境だと女性がもっと自信をもって過ごせるので、家庭にも社会にもよい影響が生まれるのでは?と漠然と感じています。


日本の大学でスウェーデン人の先生(女性)と“日本で男女平等社会を実現するために必要なこと”について話をしたとき、「日本ではまだその分野に対する男性の関心が少ないね」と言っていました。

スウェーデンは女性の社会進出が進んでいて、育児休暇を取るお父さんもたくさんいますが、それは女性だけの権利じゃなく、男性が「家族と過ごす時間をもつ」ための「男性のための権利」でもあると私は思うのだけど・・・
当の男性陣にはそうした要望が少ないのかしら^^;
男性の「家庭」に対する意識改革が日本での男女平等社会のためのキーポイントではないかと思います。


自己実現の話ですが(高校生ときに倫理で習ったね)、
すごく簡単にいうと、
プライベートが充実して、
仕事など自分の力を「アウトプット」できる場で誰かから必要とされていると感じて、
そういうバランスのとれた状態だと「自己実現」に向けて頑張れるパワーが湧いてくるということかなと思っています。
そうしたバランスのとれた状態だと、勇気をだして何かに積極的に身を投じることもできるよね。


卒研はまさに自分で切り開いていく部分が多いのだろうし、一人ぼっちで考える時間が多いと思いますが、積み重ねを大事にして、納得のいく答えを出してほしいなと思います。
根をつめて頑張りすぎないようにね!


こちらの学校でも知識を学ぶだけでなく、どんどん疑って新しくする意識をもちなさいとよく先生に言われます。

私もスウェーデンと日本を比較して得た自分の考えを、もっと理論的に発表できるよう頑張ります◎

See you!
by Mia (2009-10-01 04:19) 

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